Urban Wild Otters -2
1つ目の記事、探索一日目の内容はこちら。
探索二日目のこの日は宿から徒歩でウソスポットへ歩くことにしました。
今回はMRTのラベンダー駅の近くに宿泊しました。そこから南東に向かいニコルハイウェイ方面へてくてくと。
途中の喫茶店で腹ごしらえをします。日本でも流行ってくれないかなぁ、カヤトースト。
ほどなくしてカラン川とゲイラン川の合流地点に出てきました。
看板のNO FISHINGの文字のとおり法律によって釣りが禁止されています。
で、さっそく黒っぽい影が川面に見えたのでズームしてみると、
やっぱり。
この日の第一カワウソ発見です。
(BGMはスプーキールーベンでお願いします)
しかも向こう岸からこっちに向かってくるではありませんか。
いー
よいしょー
どや。
後ろに生えているのはヒルギ科の植物でしょうか、いかにも南国といった感じですね。なだらかな護岸は水辺と陸地を行き来するのに非常に重要な役割を果たしていると感じさせるワンシーンでした。
さて、つぎつぎと上陸してきます。それも目の前に。
おとなたちの動きがそわそわしていると思ったらおトイレタイムのようです。(掲載の画像は圧縮していますが元の画像を見るとかなり「出て」います)
そう。しれっと「おとなたち」って書いたけどこの日はチビウソたちにも出会えました。宿から徒歩数分でこれですよ。シャッターを切りながらも現実か夢かわからない時間が続きました。
出したらクネゴロはどのカワウソも共通ですね。ちょうどいい感じの砂♪
このチビたちは生後どのくらいなのでしょう?コツメでいうと3-4ヶ月ってところかなと思いますが、野生下だしビロードだし、ようわからんです。
このまま眠るのかと思いきや近くで大きい物音がして、おとなウソたちが警戒モードになりました。そしてピギャピギャ鳴きながら移動をはじめました。
…
移動中も相変わらずおさかなブッフェ状態で、あちらでもこちらでも日本では見慣れない魚をお食べのようでした。
おとなウソから譲ってもらいたいチビウソ。
なんとか自分でつかまえたチビウソ。イシダイみたいな模様だけど多分違う。
ド派手なオレンジの魚、これは何なんだろう。
がぶがぶ。必死に食べようとしていますがなかなか上手くいきません。あとで写真を見返してわかったのですが、歯が生え始めたところだったようです。
岸を泳ぐカワウソを追いかけて、追いかけて、
気がつくと一日目と同じスポットに到着していました。
こちらは、おとなウソ。
チビを連れてくるおとなウソ(おそらく母)がやってきたり、と
あちこちで事件が起きて、現場は大忙しです。
チビウソといえど手足の爪は本格的ですね。
あっちへこっちへ、運ばれてゆきます。
おとなウソの目を盗んでひとり散歩に出かけるチビウソ
でも実は遠巻きからおとなが見守っているんだけれどね。
ちらっ
人通りが少ない場所だからなのか、のんびりとした空気感です。
ごろーん。
おとなウソは隙間が気になる、って野生下でもやっちゃうのねw
左のチビは魚の骨をおもちゃにしてジャグリングしていました。
何度もチラチラと外の様子を伺っています。
お、三匹一気にでてきたぞ。
一番左のチビは落ちていた結束バンドで遊んでいます。先日のマラソンコースのパーテーションに使われていた結束バンドのようです。くれぐれも誤嚥には気をつけて。
親子の愛、とかキャプションつけたくなるけれどきっとそういうわけではないのでしょう。たまたま。
別の角度からちらっ、
ちらっ。
枯れ葉とチビウソ。
と、それを見つめるちびウソ。
歯が生えきってないので噛み切れない、の写真。
ぴゃー。
やせいの カラスが あわられた。
カラスは 食べかけの 魚を ねらっている!
チビウソは どうする?
写真では伝わるはずもないですが、ピギャピギャとすごいボリュームで鳴いています。
で、無事に追い返していました。すごい。
りっぱに育てよ!
写真を撮っていたらセグウェイ乗りのお兄さんたちがやってきて、すこし騒がしい感じに。でもカワウソ一家は動じません。
彼らの生活をこれ以上邪魔するのも悪い気がして、撤退。
…
カワウソ一家たちが生活しているマリーナ湾はマリーナバラージ(写真左奥)で区切られており、湾内の水は淡水化されています。
なぜ淡水化なんかしているのかというと、その理由はシンガポールの水事情にあります。シンガポールは年間を通して雨の多い地域である一方で高い山も大きな川もありません。そのため、お隣マレーシアからの供給でなんとか水の需要を賄っています。今ある貯水池に水を貯めるのはもちろんのこと、マリーナ湾内も貯水池として使うことで自給率を上げ安定供給を図ろう!
そういった理由でマリーナバラージが完成して…。(とても大雑把な話ですみません。)
記事冒頭で取り上げた釣り禁止や、淡水化計画などカワウソにとって追い風が吹いているようで、どんどんその個体数を増やしています。
これから先シンガポールの野生カワウソたちはどんな未来を辿るのでしょうか?個体数が増える?住処は?食料は?ロードキルは?…
すぐにでも再訪したいけれどそんな頻繁に行けるような場所ではないので、しばらくはSNS上の投稿を追いかけることになりそうです。
最後に、
カワウソを見にシンガポールへ行く計画途中にこの記事にたどり着いた方へ。以下のことを必ずお守りください。
シンガポール国立公園局のウェブサイトからの引用です。
What to do when I encounter otters?
- DO NOT touch, chase or corner the otters. Observe them from a distance. Going too close to the otters may frighten them.
- DO NOT talk loudly and do not use flash photography. Noise and light may scare and provoke the otters.
- DO NOT feed the otters. The otters have their own food in the environment and their natural eating habits keep the ecosystem healthy.
- DO NOT litter or leave sharp objects in the water. Clean and safe waterways filled with fish and aquatic life make good habitats for the otters to frolic and feed in.
- DO keep your dog on a tight leash. Your dog might chase the otters and frighten them.
・カワウソに触れたり、追いかけたり、追い詰めたりしないでください。 カワウソたちを遠くから観察してください。近づきすぎるとおびえてしまいます。
・大声で話したり、フラッシュをたいたりしないでください。 騒音や光はカワウソを怖がらせたり刺激してしまうことがあります。
・カワウソに餌を与えないでください。 カワウソは自然界から食物を獲り、また自然の食習慣が生態系を健康に保ちます。
・水中にごみを捨てたり鋭いものを残したりしないでください。 水棲生物や魚の多く生息する清潔で安全な水路は、カワウソにとって良い住処となります。
・飼い犬を離さないでください。 カワウソを追いかけると怖がらせるかもしれません。