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動物園、水族館、どうぶつのいるところへ。

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Marinpia Matsushima Aq. - Farewell and Born Again

この大型連休をもって閉館するマリンピア松島水族館のお話。

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This is a report of Marinepia Matsushima aquarium that will come to closed at May 10th , 2015. The aquarium has injured by TSUNAMI , so it is going to renewal .

 

 

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3月に訪問しました。このときちょうど閉館50日前。

 

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閉館するにあたり「おもいで博覧会」という展示が開催中です。

撮影は遠慮したのですが、イロワケイルカが入った経緯だどかラッコやマンボウの飼育の歴史に関してだとかが詳らかに開設されていました。たった2回目の訪問のくせに展示の最後で思わずウルッときてしまいました。にくいぞ。

 

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…しかしまあ、ただの土曜日なのにすごい人だかりです。

 

こんな混雑ですが水族館は通常営業。入館してすぐのアシカショー会場を覗きましょう。

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それっ

 

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キャッチ〜!

 

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ショーの練習をしているところでした。

 

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ちょっと視点をかえるとこんな感じ。二階席もあります。

決して大きなショープールではないけれど、その近さ故になんだか愛着が湧いてきます。

 

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本番が始まりました。さっそくナイスジャンプ!

 

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バランスを取って、、、

 

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よっ!成功です。

 

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お姉さんと呼吸をあわせて

 

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ペンギンのぬいぐるみもこの通り〜!しかも二点倒立中です。

 

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バレーボール。キーパーさんのハンドサインがミソですw

 

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じゃあね〜

 

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ひと仕事おえた三頭がご帰宅です。おつかれさま!

 

さて建物の中へ入ります。

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メインの建物のエントランスにこのようなラミネートが。

 

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津波がここまできました」とのこと。

で、もう一度1枚上の引きの写真をごらんください。比較対象がすくなくて申し訳ないのですが、これ、結構な高さです。観葉植物の鉢の高さはゆうに超えて、ガラス戸の取手のあたりまで来ている。

震災の当時関東にいた私は揺れの被害こそ受けたものの、津波の被害にはあっていません。なので、申し訳ないけれどテレビで流れてくるあの悍ましい東北の津波の状況がなにか作り物のように感じられていたのです。映画のワンシーンを再生されているかのように他人ごとで、強烈なんだけれどスペクタクルにすぎなくて…といった具合に。

このラミネートをみたとき、ここが水族館であることも相まって具体的な被害を鮮明に想像することが、現実にあった話なのだということが、感じられました。

 

 

…ちょっと長く語りましたw 館内をぐるっと一周しましょう。

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メガネカイマン。

展示の外、ガラスを隔ててわたしたち側ではなくて向こう側(展示動物側)に解説プレートがあるって、なんだか不思議です。すくなくとも動物園ではまず見ないような気がする。

 

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イロワケイルカ。

 

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導線として少し歩いた先のワンフロアあがったところに水槽の上から観覧できる場所もあります。

 

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ウミガメさん営業中w

 

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ぷか〜、というか

すい〜、というか。

 

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「日本でここだけ!」「『毛』増量中!!」って、そそりませんか?

バイカルとゴマフ、二種類のアザラシの抜け毛を採集し臭いを嗅いでもらおうという展示。アザラシ水槽真横にあります。チビっ子たちは躊躇いなく加減を知らぬままゼロ距離に鼻を近づけてウッとなるんだろうw いい経験じゃないですか。

 

このように飼育動物以外の展示も丁寧だなあ、というのが私の今回の訪問を経ての印象でして、

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ここ、ともすれば普通の暗い殺風景な通路なんですけどボードを設置して情報を発信しています。子どもは退屈そうに親の手を引っ張って「行こうよ〜つまんない〜」なんてぐずってましたが大人たちは興味津々ですみずみ読んでらっしゃいました。ちなみにこの一連の展示は震災からの復興までの道のりを記したものです。水族館は子どもだけの施設じゃないんだぞという心意気が伝わってきます。

 

…1階の入口から徐々にスロープをのぼって出口は2階、さきほどのアシカショーの2階席に到達します。これで館内は一周。屋外展示も回りましょう。

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すい〜っとお出迎えしてくれたのはジェンツーペンギン。

 

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んー

 

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ダイブ!!!!

 

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ジャンプ!するのはイワトビペンギン(ですよね?)

 

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わわわ〜。足元までやってきます。すごく近いぞ。

 

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フンボルトかマゼランかケープか…ごめんなさいお手上げです。勉強してきます。

 

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餌やりの時間ともなると見物客でいっぱいになりました。さすが土曜日。

 

さらに奥、なんとも言語化しづらいのですが遊園地のようなエリアまで足を運ぶと

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ビーバー観察小屋、ちゅうのがありました。すでにウッドデッキにはお客さんがちらほら。

 

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館内モノレールの真下、JR仙石線の松島海岸駅が道路を隔ててすぐにあるこのエリアにアメリカビーバーが展示されていました。で、肝心のビーバーはどこなのよ?って

 

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ちゃんといますよ。ずっとこの絶妙な位置から動いてくれませんでしたがw

 

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ビーバーといえば、館内のこの貼紙が気になりました。ちびっこユメ画伯によるすいぞくかんのいきものたち、のイラストです。

どうしようもない個人的な思い出の話になるので読み飛ばしていただいて結構なのですが、このビーバーのイラストを見てわあああっと記憶が蘇ってきました。

 …

それは私が小学校2年生のまだ可愛かったころ、国語の教科書に「ビーバーの大工事」という単元(?)の読み物が載っていました。

ここは、北アメリカ。大きな森の中の川のほとりです。 ビーバーが、木のみきをかじっています。 ガリガリ、ガリガリ。 すごいはやさです。木のねもとには、たちまち木のかわや木くずがとびちり、みきのまわりが五十センチメートルいじょうもある木が、ドシーンと地ひびきを立て
てたおれます。

―中略―

すの入り口は、水の中にあり、ビーバーのように、およぎの上手などうぶつでないと、けっしてすの中に入ることはできません。 ビーバーがダムを作るのは、それで川の水をせき止めてずうみを作り、そのみずうみの中に、てきにおそわれないあんぜんなすを作るためなのです。

小学2年生ですから難しいことはよくわかりません。でもこの原稿用紙3枚に満たない文章に私の心は強く動かされました。「ビーバーってみたことないけどなんかすごい。」という具合に。

最終的にこの単元を習ってからしばらくの間、お昼休みに友達と縄跳びやドッヂボールをして遊ぶことなく、ただ黙々とビーバーの絵を12色の色鉛筆で描いていたのでした。何枚も何枚も小さなメモ帳にそれを描いて、先生やおともだちに配ったのを覚えています。今思うとおともだちは余計な物を貰ったなくらいに感じていたのではないかなw

引越しをしたときにそのメモは捨ててしまいましたが、今でも鮮明に覚えています。

 

 

さて。

多くの人々に思い出を提供し続けたマリンピア松島水族館はまもなく5/10をもって閉館します。幼少期に訪れたっきりの地元の古い水族館、なんて言わずにチャンスがあるうちにまた行ってみて欲しい。これは松島水族館に限らず全般に思っている話。

幼少期の記憶なんてだいたい後で親から聞いた情報をあたかも自分の記憶であるかのように錯覚する程度で自分の直接の体験ってあまり覚えていないものです。動物園や水族館に行った記憶なんて動物好きな子じゃなきゃ薄いんじゃないかな。

でも、上のビーバーの個人的な思い出話ではないけれど、ふとどうしようもないことを思い出すかもしれません。展示動物にまつわるエピソードに限らず、いろいろと。新しい発見もあるかもしれない。

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だからその施設があるうちに、また訪れてみて欲しい。

 

 

マリンピア松島水族館、ありがとう。

仙台うみの杜水族館にも期待しています。あと60日!

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